サービス選択の説明と、公正中立な支援
居宅介護支援では、複数のサービス事業者の紹介や、ケアプランにその事業者を選んだ理由の説明を求めることができます。開始時には、この旨を説明することが求められています。2024年度改正後、前6か月の利用割合・同一事業者割合の説明は努力義務とされており、すべての説明が同じ義務というわけではありません。
介護保険の「囲い込み」|本人と家族のためのガイド
住まいとサービスが結びつく時。
本人の選択を、確かめる。
「ここに住むなら、介護もこちらで」。その説明に、選ぶ余地はありますか。高齢者向け住まいで問題になる「囲い込み」を、仕組み・契約・ケアプランから読み解きます。
公的資料の確認:2026年10月20日
最新動向:2026年10月19日の厚生労働省資料まで反映
連携の有無だけで判断しない。
契約・説明・支援の中身を見る。
成立・施行・予定を区別する。
01 / BASIC KNOWLEDGE
介護保険でいう「囲い込み」は、高齢者向け住まいへの入居等をきっかけに、特定のケアマネジャーや介護事業所の利用へ限定・誘導され、本人の選択や必要なケアがゆがむ問題として指摘されています。
たとえば、併設事業所を使うことが事実上の入居条件になる、今までのケアマネジャーを理由なく変えるよう求められる、本人の状態に合わないサービスが追加される、といった場面です。反対に、必要な支援が十分に提供されない問題もあります。
同じ法人・同じ系列のサービスを使うこと自体で、不正と決まるわけではありません。連絡のしやすさ、緊急時の連携、切れ目の少ない支援が役立つこともあります。見るべきなのは、本人の希望・必要性に合うか、理由と選択肢の説明があるか、変更の相談ができるかです。
このページは、特定の事業者の違法性を判定するものではありません。契約・サービスの種類・地域の供給状況・本人の状態などに応じて、確認と相談を進めるためのガイドです。
出典:厚生労働省・高齢者向け住まいで介護サービスを利用する際の確認ポイント(利用者向け)、高齢者向け住まい運営者向け資料、2026年8月5日・高齢者住まいへのサービス提供(印刷46頁)
02 / POLICY UPDATE · 2026.10.20
厚生労働省の検討会では、有料老人ホームの登録制と、ケアマネジメント・介護サービスとの独立性確保などが議論されています。現行の利用者保護と、改正制度の施行準備を分けて読むことが大切です。
居宅介護支援では、複数のサービス事業者の紹介や、ケアプランにその事業者を選んだ理由の説明を求めることができます。開始時には、この旨を説明することが求められています。2024年度改正後、前6か月の利用割合・同一事業者割合の説明は努力義務とされており、すべての説明が同じ義務というわけではありません。
「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)が成立し、6月25日に公布されました。一定の有料老人ホームの登録制導入や、関係事業者との独立性確保などに関する制度整備が進められています。
第10回検討会資料では、特定の介護等の利用や担当変更を不当に条件とすること、利用に連動した家賃等の優遇、契約の独立性や情報提供などの考え方が示されています。地域のサービス供給等に配慮した取扱いもあり、詳細な政省令等は今後の確認が必要です。
介護給付費分科会では、集合住宅への訪問と戸別訪問の実態を踏まえ、現行の同一建物減算方式に代え、移動コスト・事業所規模・提供回数等を反映する報酬区分の見直し案が示されました。2027年度の確定した算定ルールとしては扱えません。
10月9日の資料では、登録制は2027年12月施行、既存ホームの移行に関する経過措置は2028年12月終了の予定とされています。法律では公布から2年以内の政令で定める日という枠組みです。確認日時点で、これらの予定を現行の施行済みルールとして扱っていません。
登録制の対象範囲、登録基準、既存ホームの取扱い、新たな相談支援の類型などは、それぞれ内容と施行時期を確認します。「すべての高齢者住宅が今日から新登録制」「ケアプランはすでに一律有料化」といった受け取り方はできません。
出典:指定居宅介護支援の基準・第4条等、第10回検討会(2026年10月9日)、資料1・登録制の施行に向けた対応について(契約等は7・10頁、日程は22頁)、国立国会図書館・改正法の成立と公布、10月19日・介護給付費分科会資料1(印刷43頁)。予定・案は変更される可能性があり、今後の法令・通知で再確認が必要です。
03 / HOW IT HAPPENS
住宅型有料老人ホームや、特定施設の指定を受けていないサ高住などでは、住まいの契約と、外部の介護サービスの契約が組み合わされます。住まいと関連する事業所が複数の役割を担うと、便利さとともに、選択への影響を確かめる必要が生まれます。
住まいの費用と条件
計画作成・説明・見直し
実施内容・記録・評価
同じ法人・系列の場合も、それぞれの役割、契約、説明を確認します。実在の事業体制を示す図ではありません。
たとえば、住まいの費用が低く見えても、指定された介護の利用が条件になり、結果として支出が増える場合があります。反対に、連携したサービスが本人の希望に合い、理由と費用が十分に説明されるケースもあります。広告の家賃だけでは、支援の適切さも月々の総額も分かりません。
04 / WHAT TO CHECK
| 確認すること | 選択を尊重する連携の例 | 説明を求めたい場面 |
|---|---|---|
| 事業所の選択 | 系列の特徴と他の選択肢を説明し、本人の希望と提供可能性を照合する。 | 外部の利用はできないと言われるが、契約上・制度上・実務上の理由が示されない。 |
| 変更の相談 | 継続や変更の希望を聞き、提供地域・空き・引継ぎを調整する。 | ケアマネ等の変更を一方的に求められる、変更希望を伝えると居住上の不利益を示唆される。 |
| 利用回数と内容 | 本人の課題・目標・状態から内容と頻度を決め、評価して見直す。 | 必要性の説明なく、全員が同じ回数になる、追加を断りにくい説明が続く。 |
| 料金・割引 | 家賃、生活支援、介護、医療等を分け、条件と総額を書面で説明する。 | 系列サービスの利用量によって家賃等が変わるが、条件や理由が不明確。 |
他の事業所が地域に少ない、送迎や提供範囲が合わない、空きがないなど、希望をそのまま実現できない事情もあります。本人の希望を受け止めたうえで、具体的な制約と代替案を説明できるかを確かめましょう。
05 / DIFFERENT SYSTEMS
「外の事業所を自由に選べるはず」と、すべての施設に同じ説明を当てはめないことも大切です。登録・指定の正式名称と、どの方式で介護を受けるのかを確認します。
本人が外部の介護事業所等と個別に契約して利用する方式が基本です。住まいの運営者とサービス事業者の関係、ケアマネジャーの選択、契約条件を確認します。
サ高住の登録と、特定施設入居者生活介護等の指定は別制度です。指定を受けたサ高住もあります。
特定施設や認知症グループホームなど、住まい側の計画・体制で介護保険サービスを受ける方式があります。住宅型の外部個別契約と同じ選択の仕組みとは限りません。
特定施設にも外部サービス利用型等があり、契約の実態や指定を確認します。包括的なサービスでも、本人の希望、説明、適切な支援の確認は大切です。
医療保険で利用する訪問看護、訪問診療、薬局等は、介護保険の訪問介護と同じ制度・報酬ではありません。どの保険・契約のサービスかを分けて確認し、医療の必要性は主治医等へ相談してください。
06 / CARE PLAN
限度額近くまで使っていることだけで、過剰・不正とは決まりません。本人に必要な支援が、どんな理由で計画されているかを確認します。
本人の希望、生活上の課題、状態の変化、目標がどう整理されているか。
内容・回数・時間・費用と、その選択理由。住まいの基本サービスとの違い。
提供記録、本人の様子、計画との差、評価と見直しの予定。
「減らせばよい」と決めず、必要な介護は確保します。気になる支援があれば、ケアマネジャーに目的と判断の根拠を尋ね、主治医や関係する専門職も含めて調整しましょう。本人の状態に合わない不足にも注意が必要です。
同一建物減算や特定事業所集中減算には、サービスごとの対象・集計方法・例外があります。報酬上の減算を受けるかどうかと、本人の選択やケアの必要性が適切かどうかは、別々に確認します。
出典:居宅介護支援の運営基準、ケアマネジャー向け確認ポイント。個別の減算・報酬の適用は、保険者や指定権者等へ確認してください。
07 / CONVERSATION EXAMPLES
以下は理解のための架空の会話例です。実在の利用者や事業者の発言ではありません。
住まいの方式、変更を求める理由と根拠を確認。現在の担当を継続できるか、提供地域などの事情があるか、他の選択肢と引継ぎを相談します。
割引の条件を料金表・契約書で確認。介護の利用量を増やす条件になっていないか、利用先を変えた場合の扱いはどうかを、ケアマネや自治体等にも相談します。
追加する支援の必要性、目標、本人の希望、費用を確認。必要な支援なら理由を理解して利用し、疑問が残れば計画の説明や見直しを求めます。
「今の担当も、提供地域が合えば継続できます。複数の候補を比べましょう」「この支援は夜間の転倒リスクに対応するためです。実施後の様子を見て見直します」など、希望・制約・理由・評価のつながりを確認しましょう。
08 / BEFORE SIGNING
書類の名称や契約方式はサービスにより異なります。口頭の説明と書面が違えば、署名前に明確にしましょう。紹介を受けた場合は、誰からの紹介か、運営者との関係、紹介料等の有無や説明方針も尋ねられます。居宅介護支援事業者とその従業者には、特定の介護サービスを利用させる対価として、その事業者から金品等を受け取ることを禁じる規定があります。住宅紹介の仕組みと、介護支援事業者の金品等の授受の規制は分けて確認しましょう。
09 / ASK, RECORD, CONSULT
継続したい担当、変えたい支援、説明が分からない点を、本人の言葉から整理します。入居直後・状態が変わった時など、いつからの問題かも確認。
契約書、重要事項説明書、ケアプラン、利用票、請求、パンフレット等を手元へ。日時・説明した人・質問・回答をメモします。他人の個人情報を不用意に共有しないようにしましょう。
担当ケアマネ、事業所管理者、住まいの相談窓口等に、契約の根拠、選択の範囲、必要性、代替案を質問。直接言いづらい場合は、外部へ先に相談して構いません。
介護保険の利用やケアプランは保険者の窓口等へ。サービスの苦情は市区町村や国保連、住まいの登録・運営は所管の自治体窓口、契約・料金のトラブルは消費生活センター(188)へ相談します。
次の事業所の受入れ、空き、開始日、情報共有、費用を確認。疑問があっても必要な介護・医療を急に中断せず、本人の安全を確保しながら調整します。
相談先:地域包括支援センター、消費者ホットライン188、国保連の苦情対応業務の案内(東京都の例)。国保連は介護サービスの苦情の調査や事業者への指導・助言等を行い、損害賠償責任の判断等は扱いません。受付範囲は地域・相談内容に応じて確認してください。
10 / QUESTIONS TO TAKE WITH YOU
チェックは「説明を確認した」という目印です。数で囲い込みや不正を判定するものではありません。回答が気になる項目は、書面とともに外部の相談先へ持参しましょう。
確認済み 0 / 15 項目
チェック状態は送信・自動保存されません。回答や個人情報は、保存したメモ等でご自身で管理してください。
11 / FAQ
系列という理由だけで避ける必要はありません。連携が役立つこともあります。本人の希望、必要性、他の選択肢、契約と費用の説明があるかを確認しましょう。
利用額だけでは判断できません。本人の状態により必要な支援量は異なります。目的、内容、頻度、実施状況と見直しを確認し、必要な介護が不足しないことも大切にします。
サービスの方式、提供地域、空き、本人の状態等による制約があります。本人の選択が尊重されることと、希望した事業所が必ず受け入れられることは同じではありません。理由と代替案を確認してください。
居宅介護支援では変更の相談ができます。契約の手続き、次の事業所の受入れ、引継ぎを確認しましょう。特定施設やグループホーム等は方式が異なるため、まず指定と契約内容を確認します。
名目だけで一律には判断できません。誰と誰の間の金銭か、何の対価か、介護サービスの利用条件・量と結びついていないか、どの規制が対象かを確認します。不明な条件は書面で説明を求め、自治体等へ相談してください。
2026年10月20日の確認時点では、そのように扱えません。改正法の成立・公布と制度施行は別です。10月9日資料では2027年12月施行等の予定が示されており、対象や経過措置、政省令の確定内容を今後も確認する必要があります。
必要な介護・医療を急に中断することは避け、ケアマネや自治体等と、安全な継続・変更を相談しましょう。本人に危険がある場合は緊急の安全確保を優先し、関係機関へ相談してください。
本人の希望と意思を中心に、分かりやすい説明を受けながら検討します。家族であれば誰でも本人に代わって契約できるとは限らず、契約する人の権限等も個別に確認してください。
12 / YOUR HOME, YOUR CHOICE
家賃の数字だけでなく、
必要な支援と、これからの総額まで。
高齢者向け住まいへ移る時は、入居後の介護方式、契約、費用、本人の希望を確認してから、自宅を残す・貸す・売る選択肢を整理しましょう。自宅の処分を先に急ぐ必要はありません。
終活専門不動産では、住み替えに伴う不動産の活用・売却など、住まいの整理についてご相談いただけます。個別の介護の必要性、事業者の適否や制度違反の判断は、ケアマネジャー、医療・介護の専門職、自治体等へ確認しながら進めましょう。
SOURCES & EDITORIAL NOTE
確認日:2026年10月20日。厚生労働省の資料・法令等を中心に調査し、各節に根拠を示しています。最新動向は、確認日時点で公表されていた2026年10月19日介護給付費分科会資料、10月9日検討会資料等を反映しています。
一般的な制度・検討方法の解説であり、特定の事業者への告発や、個別の医療・介護・法律判断を行うものではありません。支援の必要性、提供可能性、契約・法令の適用は個別に確認してください。今後の改正内容や施行予定は変更される場合があります。写真はAI生成、会話例は説明用の創作です。