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相続放棄の最新件数|2025年 司法統計年報

相続放棄、
年間32万件超。
その実家、
引き継ぎますか?

「相続する」が当たり前とは限らない。
数字を知り、財産を調べ、家族で考える。

2025年に全国の家庭裁判所が新たに受け付けた相続放棄の申述は、323,524件。増えている件数の意味と、実家や借金を引き継ぐ前に確かめたいことを整理しました。

資料確認:2026年10月20日
件数は「新受事件数」。人数・世帯数・認容件数ではありません。

実家を思わせる部屋の机に置かれた鍵と書類のイメージ
AI生成のイメージです。実在の相続案件・相談者の写真ではありません。

2025年・全国・新受件数

323,524 件

2024年からの増加

約4.8%

2015年との比較

約1.71倍

01 / LATEST ANNUAL FIGURE

最新の年次公表値は、
2025年の32万3,524件。

最高裁判所事務総局の「令和7年 司法統計年報・家事編」は、2026年6月25日に公表されました。全国の家庭裁判所の「相続の放棄の申述の受理」の新受件数は、2025年に323,524件となっています。

2024年の308,750件から14,774件、約4.8%増加。2015年の189,296件と比べると、134,228件増え、約1.71倍です。

2025年1月〜12月 / 全家庭裁判所

323,524件

その年に、新たに受け付けた事件の数。

2026年の通年値ではありません。

2026年10月20日に確認した最新の年次公表値を使っています。年次の比較に月報の速報値を混ぜていません。年報の数字も後日訂正されることがあります。

出典:最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第2表(冊子6〜7頁/PDF18〜19頁)。前年比・倍率は掲載値から編集部計算。2024年は旧版の308,753件ではなく、最新年報と訂正版の308,750件を採用。

02 / TEN YEARS OF CHANGE

10年前の約1.71倍。
増加の流れを、同じ基準で見る。

2015年から2025年まで、同じ事件区分の「新受件数」を並べました。グラフは0件を起点に、年ごとの件数を示しています。

相続放棄の申述の受理・新受件数の推移

全国・暦年 / 単位:件

相続放棄の新受件数、2015年から2025年2015年189,296件から2025年323,524件へ増加。横軸は0から35万件。全11年の数値は直後の一覧表にも掲載。0万10万20万30万2015189,2962016197,6562017205,9092018215,3202019225,4162020234,7322021251,9942022260,4972023282,7852024308,7502025323,5240件を起点に表示 / 横軸の上限35万件
2015年比 +134,228件(約70.9%増)

倍率・増減率は件数同士の比較です。相続放棄をする人の割合や、申述の成功率を示すものではありません。

2015〜2025年の件数一覧と前年比を開く
同じ区分・同じ単位で比較。増減率は小数第1位に丸めています。
年新受件数前年比
2015年189,296件—
2016年197,656件+4.4%
2017年205,909件+4.2%
2018年215,320件+4.6%
2019年225,416件+4.7%
2020年234,732件+4.1%
2021年251,994件+7.4%
2022年260,497件+3.4%
2023年282,785件+8.6%
2024年308,750件+9.2%
2025年323,524件+4.8%

出典:司法統計年報・家事編 第2表。2025年版の累年表を基本とし、2016年は2022年版、2017年は2023年版、2018年は2024年版の各更新版で補完。すべて「相続の放棄の申述の受理」の新受件数。図表・比較計算は編集部作成。

03 / HOW TO READ THE NUMBER

32万件という数字から、
分かることを見極める。

01

「受け付けた件数」を数えている。

323,524件は新受件数です。放棄が認められた件数や、その年に終わった事件の件数とは区分が違います。これだけで「成功率」も計算できません。

02

人・家族・実家の数とは異なる。

事件件数を「32万人」「32万世帯」「32万軒の実家」と読み替えることはできません。死亡者数で割って「何人に1人が放棄」とするのも適切ではありません。

03

増えた理由の内訳は分からない。

この表は、借金・空き家・家族関係などの理由別集計ではありません。「空き家が原因で増えた」といった因果関係を、この数字だけで断定できません。

増えているから、自分も放棄すべき?

件数が増えていることと、あなたの家族にとって適切な選択は別の問題です。財産と負債、実家の状態、家族の希望、期限を確認して判断します。

統計区分:令和7年司法統計年報・家事編 第3表(冊子12〜13頁)。読み方の注意は統計の集計範囲に基づく編集部整理。

04 / BEFORE INHERITING A HOME

実家の価値と負担を、
資料で確かめる。

「思い出があるから残したい」「管理が大変だから手放したい」。その気持ちと、調査で確かめる事実を、一度分けて書き出してみましょう。

家族が机の上で書類と確認メモを整理するイメージ
AI生成のイメージ。個別の相続判断は、実際の資料に基づいて行います。

家の査定額だけで相続全体は判断できません。不動産以外の預貯金・有価証券、借入れ・保証関係なども整理し、分からない項目は「未確認」として相談先へ伝えます。

  • ① 何を、誰が所有している?登記事項証明書、固定資産税の通知、借地・賃貸借の資料を確認。名義、共有者、土地と建物の権利関係を調べます。
  • ② 今後、どんな費用がかかる?税、保険、見回り、庭木、修繕などの保有・管理費を整理。解体や処分が必要なら、法的方針を確かめてから見積りを比べます。
  • ③ 実際に使える・売れる?接道、建物の状態、境界、残置物、地域の需要などを調査。査定額は売却成立の保証ではありません。
  • ④ 相続全体の負債は?借入れの通知・契約書、抵当権、保証関係などを確認。実家の価値と、相続全体の資産・債務を合わせて検討します。

この4点は判断準備のための編集部チェックです。放棄を検討している間に、先に家を売ったり壊したりせず、法律専門家へ確認してください。

05 / TIME TO DECIDE

調べる時間にも、
原則「3か月」の期限がある。

相続放棄は、原則として自分のために相続が始まったと知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する手続きです。死亡日から一律に数えるものではありません。

3か月

いつ、死亡と自分が相続人になったことを知ったか。
通知書・封筒・連絡の記録とともに、起算点を確認しましょう。

  1. 知った経緯を記録する

    死亡の連絡、先順位者の放棄、借金の通知など、受け取った日と内容を残します。自己判断で期限を決めつけません。

  2. 資産・負債を並行して調べる

    財産を整理し、既に預金を使ったり遺品を処分したりした場合は、行為の日時・金額・目的も相談先へ伝えます。

  3. 間に合わないときは早く相談

    調査しても判断できない場合、期間内に家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てる方法があります。許否・期間は裁判所が判断します。

相談しただけでは、期限は自動で延びません。

期限が迫っているときは、すべての資料が揃うのを待たず、弁護士等へ相談してください。死亡から3か月を過ぎていても、起算点や事情の確認が必要です。「絶対に無理」「必ず間に合う」と一律にはいえません。

判断前に、ここも確認。

  • 家族の合意と、相続放棄は別。「遺産をもらわない」という家族内の合意だけでは、家庭裁判所の相続放棄にはなりません。遺産の取得をゼロにしても、相続人の地位や債権者に対する債務負担が当然になくなるわけではありません。
  • 実家だけ・借金だけを選んで放棄できない。その相続について、財産も債務も受け継がない選択です。特定の土地や負債だけを外す制度ではありません。
  • 売却・解体・預金の使用は、進める前に確認。相続財産の処分等により、相続を承認したものと扱われ、放棄に影響する場合があります。すでに行った行為も、事情を整理して専門家に伝えます。
  • 放棄後の家族と、空き家の扱いも考える。先順位の相続人全員が放棄すると、次の順位の人が相続人になる場合があります。また、放棄時に現に占有していた財産には、相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務があります。

期限・必要書類・費用・手続きの詳しいガイドを読む ↗

出典:裁判所「相続の放棄の申述」、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」、京都家庭裁判所Q&A、名古屋家庭裁判所案内、横須賀市・空き家Q4(民法940条)。

06 / DIFFERENT CHOICES

「手放す方法」は、
同じ手続きではありません。

相続放棄、相続後の売却、相続土地国庫帰属。それぞれ対象・前提・手続きが異なります。法的な選択肢を確認してから、不動産の具体的な方針を考えましょう。

代表的な違いの整理。個別に利用できるかは専門家や担当窓口へ確認してください。
方法対象・考え方確認したいこと
相続放棄その相続の財産・債務全体を受け継がないための、家庭裁判所での手続き。原則3か月の熟慮期間。一部の財産だけは選べない。処分行為や放棄後の保存・引渡しも確認。
相続後の売却相続して取得した不動産を、買い手との契約で売却する。権利関係、状態、需要、費用。売れるとは限らない。放棄を検討中に売ると単純承認の問題がある。
相続土地国庫帰属相続等で取得した特定の土地を、審査・承認と負担金納付を経て国へ帰属させる。建物がある土地など、対象外の要件がある。すべての土地を、無料で引き取る制度ではない。

出典:裁判所相続放棄の申述、法務省相続土地国庫帰属制度の概要。売却との比較は編集部整理。

07 / YOUR FAMILY'S CHECKLIST

数字を読んだら、
家族の状況を10項目で整理。

分からない項目があっても大丈夫です。未確認のまま相談先へ持っていけるよう、メモに残しましょう。チェック数で相続放棄の可否を判定するものではありません。

確認済み 0 / 10 項目

相談メモを保存(TXT)

入力・チェック内容は送信されません。このページのチェック状態は保存されず、再読込すると戻ります。保存したメモに個人情報を記入する場合は、保管・共有先をご自身で管理してください。

08 / QUESTIONS & ANSWERS

数字と手続きの、よくある疑問。

323,524件は、放棄が認められた人数ですか?

いいえ。2025年に全国の家庭裁判所が新たに受け付けた、相続放棄の申述事件の件数です。人数・世帯数・認容件数とは異なります。

空き家が増えたから、相続放棄も増えたのですか?

今回の統計は、理由別の集計ではありません。件数の増加は確認できますが、空き家・借金・家族関係など、それぞれの影響をこの数字だけで判断することはできません。

実家や土地だけを、相続放棄できますか?

特定の財産だけを選ぶことはできません。相続放棄は、その相続の財産・債務全体を受け継がない選択です。相続後の売却や相続土地国庫帰属制度とは前提が違います。

死亡から3か月を過ぎたら、もう無理ですか?

起算点や、財産・債務を知った経緯などの確認が必要です。死亡から3か月で一律に不可とも、借金を後で知れば必ず間に合うともいえません。通知書や封筒を残し、早急に法律専門家へ相談してください。

放棄した実家は、そのまま放置してよいですか?

放棄時に現に占有していた財産には、相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務があります。放棄した人全員に一律・無期限の管理義務があるという意味でもありません。占有状況と引渡しの方法を、個別に確認します。

NEXT STEP / 相談先を分けて、確かな判断へ。

相続の選択と、実家のこれから。
資料を揃えて考えましょう。

放棄の可否・期限・法的判断や代理は弁護士へ。裁判所へ提出する書類の作成は司法書士にも相談できます。書類が揃う前でも、期限が心配な場合は早めの相談が必要です。

不動産の現状調査・管理・売却のご相談

法律上の方針を確認したうえで、実家・土地を保有する場合の負担、活用や売却の選択肢を整理します。終活専門不動産へ、分かる範囲の資料をお持ちください。

当窓口が、相続放棄の法的判断や申述代理を行う趣旨ではありません。

SOURCES / 2026.10.20 確認

出典と、数字の取り扱い。

  1. 最高裁判所事務総局「令和7年 司法統計年報 3 家事編」。2026年6月25日公表。第2表の全国「相続の放棄の申述の受理」新受件数。2025年、比較年、グラフの基本資料。新受と認容等の区分は第3表。
  2. 連続系列の補完:令和4年版(2024年9月10日更新)、令和5年版(2025年9月16日更新)、令和6年版(2026年9月17日更新)。各第2表。2024年は訂正後の308,750件を使用。
  3. 裁判所「相続の放棄の申述」、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」。制度、家庭裁判所への申述、熟慮期間、伸長。
  4. 京都家庭裁判所「遺産分割調停Q&A」(Q7等)、名古屋家庭裁判所「相続放棄の申述」案内・よくあるご質問。家族内の合意との違い、期間、財産処分等。
  5. 横須賀市「空き家等についてよくあるお問い合わせ」Q4、法務省・改正民法等の説明資料。民法940条の保存義務。
  6. 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」。制度の対象、審査・承認、負担金。

本記事は公的資料を基にした一般的な情報です。統計の推移・増減率・比較表・チェック項目は編集部が整理しています。個別の法律判断は、実際の財産・債務・経緯により異なります。本文写真はすべてAI生成のイメージです。