住まいと、これからの暮らしの相談窓口

不動産価格の種類と、住まいの終活

その価格は、何の価格?

「査定は高かったのに、売れる値段は違う?」「納税通知書の価格が、家の値段?」「買取の金額と、仲介の金額は何が違う?」同じ不動産でも、目的が違えば価格の意味が変わります。

値段を比べる前に、名前と目的を確認しましょう。売り出し・査定・成約・公的な評価・買取を、身近な例と図解で整理します。実家の相続や売却、住み替えを考えるご本人とご家族のためのガイドです。

金額が違うから、どちらかが間違いとは限りません。「誰が・何のために・いつ・何を・どんな条件で」の価格かをそろえて比べましょう。

情報確認日:2026年10月9日

終活専門不動産は、実家や所有する不動産の管理・活用・売却、住み替えの方針を整理する相談窓口です。個別の鑑定評価、税額、契約や権利の判断は、内容に応じた専門家・公的窓口へ確認します。

一つの住まいと、目的の異なる価格資料 中央の家を囲む複数の資料と、資料を見ながら相談する二人を描いた説明用イラストです。同じ不動産に複数の価格があることを表し、金額の大小や実在する取引を示すものではありません。
住まいと複数の価格資料を見ながら、役割の違いを確認する説明用イラストです。
売りたい額・予測した額・合意した額を分ける
土地の単価と、家全体の総額を分ける
売買価格と、手元に残るお金を分ける
01 / 価格の役割

まず「何のための価格か」を見分ける

同じ家にも、違う名前の価格があります

スーパーの商品なら、値札の金額で買えることが多いでしょう。不動産では、広告に出す価格、売れる見込みを考えた価格、税金の評価に使う価格など、同じ「価格」に違う役割があります。

図で見る / 役割の違い

同じ「価格」でも、使う目的が違います。

売り出し価格

いくらで募集するか

売主が希望する募集の金額

査定価格

いくらで売れそうか

条件や根拠から見積もる金額

成約価格

いくらで契約したか

売主と買主が合意した金額

公的な価格・評価額

指標や税の評価に使う

対象と基準日、制度を確認

買取価格

事業者がいくらで買うか

不動産会社などが買主になる

その他の評価

特定の目的に合わせる

鑑定評価、金融機関の評価など
並び順は、価格の高い・低い順ではありません。金額を見る前に「誰が、何のために示した価格か」を確かめましょう。
価格の名前誰にでもわかる言い方その数字だけでは決まらないこと
売り出し価格売主が「この金額で売りたい」と募集する額。実際に売れる額、売れる時期。
仲介の査定価格不動産会社が、売却を目指せそうな額を見立てた目安。その額での売却や、会社の買取の約束。
購入希望価格買主候補が「この条件なら買いたい」と示す額。売主が応じるか、契約が成立するか。
成約価格売主と買主が合意して、売買契約となった代金。決済・引渡しが完了したか、売主の最終手取り。
公的価格・公的評価額土地の指標や税金の評価など、制度の目的で決める数字。自宅の現在の売値、買主が支払う額。
買取価格不動産会社等が、自ら買主になるために提示する額。どの会社でも同額か、提示の条件や有効期限。

この分類は、違いを理解するために当社が整理したものです。公的価格も一種類ではありません。よく聞く「一物四価」等の表現だけで、すべての価格を説明できるわけではありません。

金額の横に、5つのメモを付ける

「価格の名前」「作った人・機関と目的」「基準となる日」「対象と単位」「前提条件」を確認します。さらに、費用を引く前か後かを聞けば、比べやすくなります。

例えば、土地だけの1㎡単価と、土地・建物を合わせた総額は、そのまま比較できません。「家が3,000万円」と聞いたら、まず何の価格かを尋ねてみましょう。

参考:国土交通省・不動産売却の流れ、国土交通省・地価公示。図と分類表は当社の編集によるものです。

02 / 売出し・査定・成約

売り出し・査定・成約は、別の段階の数字

「売りたい」「売れそう」「買いたい」「合意した」

売り出し価格は、募集するときの提示額です。査定価格は、取引事例や物件の状態、販売条件などから不動産会社が示す見通し。購入希望価格は買主候補の提案で、成約価格は双方が合意して契約となった額です。

図で見る / 売却手続きの流れ

見込み、募集、合意。価格の段階を分けます。

  1. 01

    査定

    売れそうな金額を見積もる

    根拠・条件・期間を確認
  2. 02

    売り出し

    売主が募集の価格を決める

    希望と戦略を相談する
  3. 03

    申込み・交渉

    買主と価格や条件を相談する

    引渡しなどの条件も確認
  4. 04

    成約

    売主と買主が契約する

    合意した売買金額を記載
  5. 05

    決済・引渡し

    代金の支払い・引渡しを行う

    成約の段階と、受領完了を分ける
一般的な流れを示す説明用の図です。査定価格や募集価格は見直すことがあり、図は金額が順に上がる・下がることを意味しません。
年配の女性、成人の女性、男性の相談相手が、色の違う複数の冊子を見ながら話す水彩イラスト。窓の外に戸建て、卓上に家の模型があり、書類には価格や数字を記載していません。異なる価格資料の意味を家族で確認する説明用の場面です。(説明用のAI生成画像)
価格の資料を見ながら、ご家族と相談する説明用イラストです。説明用のAI生成画像です。

査定を受けた段階と、販売を依頼する媒介契約、相手方との売買契約、代金の決済・引渡しは、役割が違います。価格の説明だけでなく、今どの段階なのかを確かめましょう。

同じ家でも、こんな数字が並ぶことがあります

以下は説明用の架空例です。実在の物件、当社の査定・実績、地域の相場を示すものではありません。

場面架空の金額何を意味するか
売主が募集を始める売り出し2,800万円この額で買主を探す方針。
仲介会社が見通しを説明する査定2,500〜2,700万円条件に基づく予測の幅。売却保証ではない。
買主候補が条件を出す購入希望2,600万円価格と条件を交渉する提案。
交渉して契約となる成約2,680万円双方が合意した売買代金。
別の会社が直接購入を提案する買取提示2,400万円その会社・その条件での購入提示。

この例の順番が、すべての物件で成り立つわけではありません。成約額が当初の募集額を上回る場合や、条件の違う買取提案がある場合も考えられます。価格を「必ず高い順」に並べる図や、一定の値引率には置き換えないでください。

高い査定を選べば、高く売れる?

まず、根拠を聞きましょう。どの成約事例を使ったか、いつ・どの期間で売る想定か、現地や書類をどこまで確認したか、修繕・測量等を誰が負担する前提か。机上査定やAIによる概算と、現地・権利・建物等を調べた見立ても、確認範囲が異なります。

宅地建物取引業者が媒介価額について意見を述べる場合には、根拠を明示する扱いがあります。金額だけでなく説明を比べ、複数査定の単純平均を「本当の価格」と決め付けないことが大切です。

参考:国土交通省・宅地建物取引業法の現行解釈・運用、不動産流通推進センター・価格査定マニュアルの手引き。

03 / 同じ物件の見方

「同じ条件か」を確認すると、価格の差が見えてくる

土地だけ? 建物も? 自分の持分だけ?

図で見る / 土地と建物を分ける

「家の価格」と「土地の指標」は同じ対象ではありません。

土地

公示地価・基準地価は土地の地点の指標。相続税路線価なども土地の評価に使います。

地点・面積・形状・権利などを確認

建物

建物には建物の評価があります。築年数だけでなく、状態や修繕、使い方なども確認します。

固定資産税評価額にも建物の欄がある

比較するときは、土地だけか、建物も含むか。総額か、1㎡当たりか。

戸建ての土地と建物を分けた説明用の図です。マンションでは専有部分と敷地の権利など、対象となる範囲も確認します。

土地の価格、建物の価格、両方を合わせた価格は、対象が違います。マンションでは、専有部分だけでなく敷地の権利・持分も確認します。共有不動産の全体価格と、自分の持分に関する評価も、同じ数字とは限りません。

比べる項目確認したいこと
対象・権利土地、建物、両方、持分、借地権など、何を評価したか。
単位1㎡当たり、坪当たり、物件全体の総額か。
時点何年何月の条件か。公表日と価格の基準日も区別する。
建物・土地の状態現状のままか、更地・修繕後の想定か。境界や接道を確認したか。
引渡し条件片付け、解体、測量、修繕、入居者、時期をどう扱うか。
費用・税の表示費用控除前か、消費税の扱いはどうか、土地・建物の内訳はあるか。

隣の家と同じ広さでも、道路との関係、形、権利、建物の状態、購入する人の需要などが異なります。近所の価格の丸写しではなく、似ている点と違う点を確認してください。

広告で見た「相場」と、成約事例は分ける

ポータルサイトの掲載価格は、通常は販売中の募集価格です。一方、成約事例は契約になった取引の記録。募集の平均価格と成約の平均価格では、集めた物件の広さ・地区・築年等が違うため、平均の差をそのまま「値引率」とは読めません。

国の不動産情報ライブラリでは、公示・地価調査のほか、取引価格や成約価格の情報も確認できます。個別物件が特定されないよう加工された情報で、すべての取引を漏れなく並べたものではありません。近い条件の事例を探し、査定の根拠との関係を聞いてみましょう。

参考:国土交通省・消費者向け不動産取引情報、近畿レインズ・全国版の集計基準。

ほかにもある、価格・評価の呼び方

名前何を見る数字かひとこと注意
不動産鑑定評価額不動産鑑定士が、目的・対象・時点・条件を定めて専門的に評価した額。仲介会社の査定書とは別。一般の売買価格を一律に決めるものではない。
比準価格似た取引を、時期や物件条件の違いも考えて比べた試算価格。隣の売値をそのまま使うことではない。
積算価格今調達し直す費用を基に、状態等の減価を考えた試算価格。公的評価額の単純な足し算、昔の建築費とは別。
収益価格家賃等から生じる将来の純収益に着目した試算価格。募集家賃をある率で割れば売値が確定するわけではない。
担保評価額金融機関等が、融資の担保として評価する額。売買価格、借りられる額、ローン残高はそれぞれ別。
取得価格・購入当時の価格過去に実際に買った代金。現在の売値とも、税計算上の取得費とも同じではない。
再調達原価・再調達価額今、同等のものを調達し直す費用の考え方。建物の再建費用や保険の評価と、土地込みの中古売値を混同しない。

不動産鑑定では、比較・原価・収益などの手法と、その試算の信頼性を吟味します。3つの数字を同じ重みで平均すれば鑑定評価額になる、という説明ではありません。

参考:国土交通省・不動産鑑定評価基準、住宅金融支援機構・担保評価と融資条件の例。後者は個別の商品案内で、すべてのローンに共通する条件ではありません。

04 / 公的価格

公的価格は、売値を決める一つの数字ではありません

4つの制度を、目的・対象・日付で分ける

図で見る / 対象と基準日

公的な価格は、どの時点の何を評価したものか。

価格の基準日1月1日

公示価格

土地の標準地。通常3月に公示。

相続税路線価

相続税・贈与税の土地評価。2026年分は7月1日公開。

基準日7月1日

都道府県地価調査の基準地価

土地の基準地

同じ年の公示地価とは、対象の地点や時点も確認します。

税の賦課期日1月1日

固定資産税

その日の所有者・現況等を基に課税。

土地・家屋の評価替えは原則3年ごと。価格の調査基準日と、税の賦課期日は別です。

価格の基準日・公表日・税の賦課期日を区別します。固定資産税の評価額と、課税標準額・税額も別に確認します。

基準日と対象を整理するための図です。今日の自宅の売却価格を保証するものではありません。制度ごとの詳しい見方は本文の説明と公的資料をご確認ください。
年配の女性と成人の男性が、土地の区画図を見ながら話す水彩イラスト。机には3色の冊子と家の模型、土地の模型。吹き出しには資料を調べるパソコンと数字のないカレンダーを描き、出所・対象・日付の確認を表しています。実在の公文書や物件ではありません。(説明用のAI生成画像)
公的な価格の資料を読み比べる説明用イラストです。説明用のAI生成画像です。
種類目的・対象いつの数字か見分けるポイント
地価公示の公示価格国の土地鑑定委員会が判定する、選ばれた標準地の土地取引等の指標。毎年1月1日時点。通常3月に公示。標準地の土地の1㎡単価。自宅の土地・建物総額ではない。
地価調査の基準地価格都道府県が調査する、選ばれた基準地の土地価格の指標。毎年7月1日時点。通常9月に公表。公示価格と、地点・基準日が異なる。通常1㎡単価。
相続税路線価土地の相続税・贈与税評価の基準。毎年1月1日時点。2026年分は7月1日公開。道路に面する標準的な宅地の1㎡価額。図の数値は千円単位。
固定資産税評価額市町村等が、土地・家屋の課税評価の基準で決める価額。毎年1月1日の所有者・現況等で課税。土地・家屋の評価替えは原則3年ごと。価格の調査基準日と税の賦課期日は別。年税額とも別。

※地価調査の林地は1,000㎡単位など、住宅地とは単位が違う場合があります。東京23区の固定資産税は都が取り扱います。固定資産の価格は原則据置の年度でも、下落修正・現況変更等による扱いがあり、通知書の年度を確認してください。

公示・地価調査は、建物などがない「更地」として土地の価格を判定する指標です。そこに家が建っていても、家の建物価額込みの価格ではありません。近隣の地点と、自宅の道路・形・面積・利用条件が同じかも確認します。

出典:国土交通省・地価公示の制度、不動産情報ライブラリ・利用上の注意、国土交通省・2026年地価調査、国税庁・2026年分路線価、横浜市・固定資産の価格の決め方。

「200D」は、200万円でも税率でもありません

説明用の架空の表示「200D」なら、200は20万円/㎡、Dは借地権割合60%です。Dを税率と読んだり、すべての所有地の価額を60%にしたりする意味ではありません。

路線価方式では、土地の形や奥行き等に応じた補正と面積などを用いて評価します。路線価そのものは土地一筆の評価額でも、税額でもありません。路線価が定められていない地域では倍率方式など、地域に合う評価方法を確認します。「図に数値がない=土地の価値ゼロ」とは判断しないでください。

参考:国税庁・路線価図の説明、国税庁・土地家屋の評価。路線価地域内の個別道路に路線価がない場合まで、すべて倍率方式と扱うものではありません。

評価額・課税標準額・税額は、違う欄です

評価額は、課税評価の基準で決めた土地・家屋の価額。課税標準額は、税額計算に使う金額。住宅用地の特例や負担調整等により、評価額と異なることがあります。税額は、課税標準額と税率等から求める税金で、減額等が関わることもあります。

納税通知書や課税明細書の「価格」「評価額」欄は、現在いくらで売れるかの査定ではありません。住宅用地の特例で税額計算の基礎が変わっても、売値が同じ割合で下がるという意味ではありません。

参考:横浜市・土地の税額計算の仕組み、横浜市・住宅用地の特例。

80%・70%を、売値の換算式にしない

相続税路線価は、地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途とする評価方針があります。宅地等の固定資産税評価では、公示価格等の7割を目途とする説明があります。これは税率や仲介手数料率ではありません。

制度・価格時点・対象・個別条件が違うため、「路線価÷0.8」「固定資産税評価額÷0.7」で現在の売買価格が確定するわけではありません。公的価格同士も、常に8対7になるとは限りません。建物の固定資産評価は、再建築価額を基に経年等を考える別の仕組みです。土地の7割目途を、建物や家全体にも当てはめないでください。

出典:国税庁・2026年分路線価の評価方針、横浜市・固定資産税のあらまし2026年度版。

相続では、税金の評価と家族の話合いも分ける

土地と家屋では相続税の評価方法が異なり、賃貸・権利関係・特例等で調整がある場合もあります。一定の分譲マンションには、2024年以後の相続等で区分所有補正率を使う場合があります。家全体に一律の比率を掛けるだけで申告が完成するわけではありません。

相続税の評価のための数字と、家族が実家をどう引き継ぐか話し合う際の価額の決め方は、目的を分けて整理しましょう。税の判断は税理士・税務署へ、分割や権利の判断は内容に対応する法律専門家へ相談できます。

参考:国税庁・土地家屋の評価、国税庁・居住用の区分所有財産の評価。

05 / 仲介と買取

仲介の査定と、買取の提示は、会社の立場が違う

仲介は買主を探す。直接買取は会社が買主になる

図で見る / 売却方法

「買主を探してもらう」と「直接買ってもらう」の違い。

仲介で売却

  1. 売主売却を依頼する
  2. 不動産会社が仲介募集・案内・条件の調整
  3. 買主売主と買主が売買契約

仲介する会社と、買主の役割を分ける

直接買取で売却

  1. 売主買取の条件を確認する
  2. 不動産会社などが買主売主と直接、売買契約

会社が買主となり、物件を購入する

売却方法の役割を整理した図です。実際の価格、期間、費用、修繕や引渡しの条件は契約ごとに異なります。「買取保証付き仲介」などは、その仕組みと適用条件も確認してください。
左右2つの相談場面を描いた水彩イラスト。左は年配の男女が成人の男女と家の模型を囲んで話し、右は同じ年配の男女が男性の事業者役と冊子を見ながら話しています。仲介と直接買取の役割を本文と併せて考える説明用の場面で、実際の契約や価格差を示すものではありません。(説明用のAI生成画像)
左は仲介、右は直接買取について相談する説明用イラストです。価格や所要時間の優劣を示していません。説明用のAI生成画像です。

仲介では、会社が売主と買主の間に立ち、買主を探すなどの業務を行います。直接買取では、会社自身が買主になります。「当社の査定」と言われたときは、仲介の販売見通しなのか、その会社が買うための提示なのかを聞いてください。

比較すること仲介による売却会社等による買取
買主募集・交渉等で相手方を探す。買取を行う会社等が買主になる。
提示価格の意味販売の見通しや募集方針を確認する。その買主が買う条件と金額を確認する。
時期相手方の探索、資金条件、契約等に左右される。調査・合意・決済条件等を確認する。必ず即日とは限らない。
片付け・修繕等売主・買主間の条件や費用負担を確認する。残置物、境界、修繕等を価格・契約がどう扱うか確認する。
費用仲介報酬その他の内訳・合意を確認する。直接か別の仲介が関わるか、その他の費用も確認する。

表は比較のための当社の確認例です。どちらが必ず高い、早い、良いと決まるわけではありません。「買取は相場の一律70%」という決まった制度もありません。

買取額は、条件とセットで読む

概算か調査後の提示か、有効期限、変更条件、支払日・引渡し日を確かめます。残置物や測量、修繕を誰が負担するか、契約不適合責任の範囲や期間、知っている不具合をどう伝えるかも確認しましょう。「現状渡し」の一言だけで、すべての責任や費用がなくなるとは限りません。

再販を予定する会社では、想定する修繕・保有・販売費用、収益やリスク等も判断に関わります。募集価格と買取提示額の差を、すべて会社の利益と読み替えることもできません。

「買取保証」と「査定額で買う保証」は別

一定期間の仲介後に買取を選べる提案では、保証の対象、買取額、期間、条件、売主の選択を確認します。最初の仲介査定額と、保証された買取額が同じとは限りません。提示書や申込みの名前だけで法的な効力も決まらないため、意思表示や実際の文書・条件を確認してください。

直接の売買では、買主自身の売買に仲介手数料を払う構造ではありません。ただし別の仲介会社が関わる場合や、既存の媒介契約の扱いは別に確認します。登記・税・片付け等も含めて「買取なら全費用ゼロ」とは考えないでください。

参考:国土交通省・現行解釈の買取保証等の取扱い、国土交通省・標準媒介契約約款、国土交通省・仲介報酬等の案内。

契約を急ぐ前に、内容を理解する時間を

価格の根拠や負担が分からないまま、急いで承諾しないことが大切です。高齢者の自宅売却では、強引な勧誘、説明不足、売却後の負担などの相談例があります。すべての買取会社が問題という意味ではありません。困った場合は、消費生活センターや内容に対応する専門家へ相談してください。

参考:国民生活センター・高齢者の自宅売却トラブルの注意喚起。2021年公表の相談例を参照しています。現在の全国件数や全業者の実態を示すものではありません。

06 / 手取りと確認

価格だけでなく、手取りと希望を整理する6手順

  1. 何のために価格を知りたいかを決める

    売却、相続税、家族への引継ぎ、融資、保険など、目的を伝えます。住み続けたいか、いつ住み替えたいか、ご本人の希望も一緒に整理しましょう。

  2. 手元の数字に、名前と出所を書く

    広告、査定書、買取提示書、納税通知書、昔の購入契約書を分けます。価格の名称、誰が出したか、基準日、対象、単位、前提条件を記録してください。

  3. 同じ条件で比べられるかを確かめる

    土地と建物、現状と更地、修繕・片付けの費用、引渡し時期をそろえます。分からない条件は、金額だけ比較する前に質問しましょう。

  4. 査定や提示額の根拠・条件を聞く

    近い成約事例、確認した資料や現地、販売の想定期間、概算か確定条件付きの提示かを聞きます。高い数字だけで決めず、説明と売却方法を比較します。

  5. 売価から、手元に残るお金を見通す

    図で見る / 売価から手取りへ

    売れた金額と、使えるお金を分けて考えます。

    売却代金

    契約した売買金額

    • 支払う費用

      仲介、登記、測量、片付けなど

    • 借入金の返済

      残っているローンなど

    • 売却に伴う税金など

      条件に応じて確認する

    手取りの見込み

    これからの暮らしに使えるお金を見積もる

    手取りを考えるための概念図です。全ての費用が必ず発生するわけではなく、税金の有無や支払い時期も個別に異なります。物件と売却条件に応じた明細で確認しましょう。

    売買代金から、取引費用、必要な片付け・測量等の負担、ローン返済、税金などを分けて見積もります。決済時に残る金額と、後日の税まで考慮した最終の見込みは別に確認してください。

    架空の資金計画例として、売買代金2,680万円から費用の仮置き180万円とローン返済600万円を引くと、1,900万円です。これは売却に伴う所得税等を差し引く前の単純な見込みで、実際の必要費用・手数料相場・税額を示しません。精算金や既に受領した手付金などは別途整理します。

    手取りと、税金の計算上の譲渡所得も別です。譲渡所得は売却収入から取得費・譲渡費用を引くなどして計算し、ローンを返した額をそのまま引いて求めるものではありません。資金計画で支払う費用と、税務上差し引ける費用の範囲も同じとは限りません。

    相続した家の取得費は、原則として被相続人の購入代金等を基に確認します。相続税評価額や固定資産税評価額を、そのまま購入代金の代わりにしないでください。建物の減価償却相当額等も関わるため、古い契約書等を探し、税理士・税務署へ相談できます。

  6. 家族と方針を共有し、必要な専門家へ確認する

    誰の名義で、誰が意思を決め、何の権限で手続きをするかを確認します。売却の価格・方法・時期と、相続や税の課題を分け、本人の希望を踏まえて相談しましょう。

参考:国税庁・譲渡所得の計算、国税庁・相続した不動産の取得費、国税庁・譲渡費用となるもの。6手順と架空の資金例は当社の編集によるものです。

07 / ご相談の前に

よくあるご質問

売り出し価格は、その金額で売れた価格ですか?

募集する際の提示額です。実際に契約となった成約価格とは分けて確認します。販売中の広告だけで、近所の成約実績を決め付けないでください。

査定価格の高い会社に頼めば、必ず高く売れますか?

査定は条件に基づく見通しです。取引事例、調査範囲、期間、費用負担などの根拠を聞き、販売方針と説明を比較してください。売却保証なのかも別に確認します。

公示価格や路線価から、家全体の売値が分かりますか?

公示価格は標準地の土地の指標、相続税路線価は土地の税務評価の基準です。自宅と地点・条件・時点が異なり、建物込みの売値を保証しません。一律の倍率で現在の売価が確定するものでもありません。

固定資産税の明細にある「価格」は何ですか?

課税評価の基準で決める評価額です。課税標準額、税額、売却査定額とは別です。どの欄の数字か、対象が土地か家屋か、年度も確認しましょう。

路線価が載っていない土地は、価値がないのですか?

掲載がないだけで価値ゼロとは判断できません。地域によって倍率方式等があり、路線価地域内の個別道路に設定がない場合は別の確認も必要です。対象地の評価方式を税務署・税理士等へ確認します。

買取なら、必ず早くて費用もかかりませんか?

調査、契約、支払い、引渡しの条件によります。直接か仲介付きか、片付け・測量・修繕等の負担も確認します。提示額だけでなく、時期と費用、手取りを比べましょう。

査定書と、不動産鑑定評価書は同じものですか?

仲介会社の販売見通しを示す査定と、不動産鑑定士による専門的な鑑定評価は別です。相続、売却、融資等で何のために必要かを伝え、必要な評価・書類を確認してください。

売れた代金からローンを返せば、残りが税金の利益ですか?

税務上の譲渡所得と、手元に残るお金は違います。取得費、譲渡費用、建物の減価償却相当額、特例等の条件を確認します。ローン残高や相続税評価額を、そのまま税の計算に置き換えないでください。

FAQは本文の確認事項を基に当社が整理しました。個別の評価、契約、権利、税額は、実際の資料と状況を対応する窓口・専門家へ確認してください。

08 / 相談先

価格の意味が分からないまま、決めなくて大丈夫です

相談する内容で、窓口を分ける

確認したいこと主な相談先
売り出し・仲介査定・販売方針媒介を検討する不動産会社。
買取の価格・条件・支払い実際の買取会社。仲介がいる場合はその担当も確認。
公示・地価調査・取引価格の調べ方国土交通省の不動産情報ライブラリ等。
固定資産税の評価・課税明細物件所在地の市町村等の税担当窓口。東京23区は都。
相続税・売却時の税計算税理士、税務署。
不動産鑑定評価不動産鑑定士。
相続、共有、契約、代理の権限弁護士・司法書士等、内容に対応する専門家。
強引な勧誘や契約トラブル消費生活センター、対応する法律専門家。
実家の管理・活用・売却、住み替えの方針終活専門不動産。

「この価格は何ですか?」からご相談ください

広告、査定書、買取提示書、納税通知書などを見て、数字が違って戸惑ったら、まず出所と目的を整理しましょう。手元の資料、ご本人の希望、いつまでに何を決めたいかを、分かる範囲でお聞かせください。

終活専門不動産では、住まいの管理・活用・売却や住み替えの方針を一緒に考えます。個別の鑑定評価、税額、法律の判断を一律に確定する案内ではありません。必要な相談先と確認を整理しながら、次の一歩を考えましょう。

終活専門不動産へのご相談

これからの住まいを、
一緒に考えませんか。

ご自宅やご実家の価格資料を整理し、売却や住み替え、相続への備えを一緒に考えます。何のための価格か、売却方法や条件はどう違うか、手取りに影響する費用は何かを確認しましょう。

終活専門不動産は、実家や所有する不動産の管理・活用・売却、住み替えの方針を整理する相談窓口です。個別の鑑定評価、税額、契約や権利の判断は、内容に応じた専門家・公的窓口へ確認します。

終活と住まいを相談する03-6416-9057

営業時間 9:00〜18:00

査定書、売出し情報、納税通知書など、気になっている価格とご希望を分かる範囲でお聞かせください。税額や権利関係は専門家に確認しながら、住まいの選択と売却の準備を整理します。